布教伝導の言葉

訃 報
第65世住職 阿闍梨全志和尚 平成28年7月14日急逝いたしました。
7月19日に通夜を、7月20日に葬儀告別式を無事すますことができました。
皆様におきましては、生前大変お世話になりました。心から感謝しております。
青蓮寺住職姉 服部薫拝
平成25年2月

拝啓 梅花の候 皆様いかがお過ごしですか。私は1月11日から始めた修行を31日に無事に結願いたしました。今回は、3週間の修行期間でしたが、様々な事を思い考える時間となりました。自身の至らなさに涙し、過去からの繋がりに感謝が溢れ、人の想いや優しさにふれ、至らない自分を、ありのままの自分を見つめることが出来ました。平成23年12月1日に愛染明王が89年振りに還着され、24年1月11日から111日間つとめた修行、同年9月9日から52日間つとめた修行、そして今回。1年と3週間かけてようやく1つの区切りが持てたのではないかと感じています。何かをやり遂げることが出来る自分に、出来ない、ダメな自分。修行を通して生きることを学ばせていただきました。
平成25年1月

拝啓 新春の候 皆様いかがお過ごしですか。私が青蓮寺副住職としてこのハガキを書き始めたのは、平成12年頃のようです。それまでは、青蓮寺住職の文。移行期間があり、13年の途中からは完全に私の文章になったようです。平成13年9月にアメリカで同時多発テロが起き、その映像を見ながら小さな事でも手抜きせずに、何か心に届くメッセージを書かなければ・・・。と思い至り、覚姿勢が変わったのを思い出します。限られた紙面で短く話をまとめることに四苦八苦しながら続けています。新年と云うことで、日時など数字の見やすさから、横書きにしてみました。
私は、昨年ある信者さんと約束していながら出来ていなかった修行を、1月11日から31日までの3週間厳修いたします。人が生きる時間の積み重ねが、全ての方にとって、掛け替えのない大切なものと成ることを切に願っております。
平成24年年末

拝啓 師走の候 皆様におかれましては、益々ご清祥のことお慶び申し上げます。また平素より、当山に対しまして格別のご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 昨年12月1日に、愛染明王が還着されました。それに伴い、本年1月11日より4月30日までの111日間、寶積院住職が愛染明王を本尊とする修行をし無事に成満することができました。修行期間中には、多くの檀信徒の皆様に、愛染明王のご宝前にお供えをして頂きました。そのお下がりを行者である寶積院住職が食し、命を繋ぎながら修行を続けたことは、仏教の一つの姿だと思っております。
 私たち僧侶が修行を出来るのは、それを見守り、支え、見届けてくれる檀信徒の皆様の姿があるからこそです。本年は、檀信徒の皆様に支えられることによって、修行することが出来る僧侶の姿をお見せし、そこから何かを感じて頂けた年であったと思います。
 形として伝えるのは、難しいことではありますが、ご来寺の折には、心を静め、研ぎ澄まして頂き、何かを感じて頂ければ幸いです。
 寶積院住職も修行を通して、たくさんの感謝すべきことに出会えた年であったと申しておりました。
 僧侶が皆様の事を真剣に祈り、そして皆様に支えられる。そんな場所に当山を出来れば幸いに思います。
 本年も皆様には、大変に感謝をいたしております。
 末筆にまりましたが、皆さまどうぞお体にご留意ください。
 新しい年が、皆さまにとり困難を乗り越えたところにある、かけがえのない時間になる事を心より祈念いたしております。
青蓮寺 住 職 服部 全弘
寶積院 副住職 服部 全志


平成24年12月

拝啓 月迫の候 皆様いかがお過ごしですか。年明け1月の初大師では、久しぶりに青蓮寺住職がお話しします。住職在任50年を振り返り、感謝と困難と喜びを語ってくれるはずです。住職は来年で満73歳。お檀家さんや信者さんと向き合い、寺を発展させ運営していくこと。それは、困難の連続であったと思います。僧侶という一人の人の生き方に思いを馳せて頂ければ幸いです。
平成24年11月

拝啓 惜秋の候 皆様いかがお過ごしですか。
実は、9月9日〜10月29日まで50日間また修行をしていました。今年は良くやりました(笑)。前半は愛染明王を拝み、後半は如意宝珠を拝む修行をしました。如意宝珠についての話は長くなるので別の機会に。真言密教では、如意宝珠を拝むのは秘法中の秘法です。如意宝珠について勉強し拝むことにより、今まで分からなかった事が分かる様になり、理解が浅かった事の理解が深まります。11月1日に奈良県宇陀市にある室生寺にお参りに行ってきました。別名女人高野とも言われます。開創は奈良時代。空海が中国から持ち帰った如意宝珠を埋めた山、如意ヶ岳があります。多忙な合間ではありましたが、4時間その空間に佇んできました。皆さんにとって大切な場所はどこですか?
平成24年10月

拝啓 錦秋の候 皆様いかがお過ごしですか。
猛暑や激しい風雨を乗り越え、ようやく「錦秋」といった季節の挨拶が使える頃となりました。体が少しホットしているのを感じています。私たちは古来より自然の出来ごとや人の営みを観察して、未来を予測する術を得ようとしてきました。天気予報や地震速報しかり、経済や円やドルの為替変動もしかりです。天気予報は、あくまでも「予報」なのですが、外れるとテレビ局にはクレームが殺到すると聞きました。先々を予測している訳で、完全にその予測が「当る」訳ではありません。皆さんは考えたことがありますか。自分が明日生きているという事を誰も証明してくれないことを。私たちは、明日生きている保証が無いのに、明日や明後日の予定を約束しながら生活をしています。先々の約束が沢山入っている人は、それだけ空手形を出している訳です。そして、予報や予測が外れるとクレームを言ったりします。生きるって不思議な営みですね(笑)。
平成24年 9月

拝啓 爽涼の候 皆様いかがお過ごしですか。
今月の上旬に参拝者に布教をする為、高野山に一週間ほど詰めてきました。授戒堂で阿闍梨を務めると共に、金剛峯寺の新別殿・奥の院の茶処でお話しをしてきました。高野山に居る間は、夜に奥の院にお参りに行く事にしています。
もう何年も前になるのですが、奥の院御廟の前でお百度参りをしている女性の方に出会ったことがあります。寒い時期でしたが、裸足になり直向き(ひたむき)に懸命にお参りをしていました。ご廟のお百度石は、お大師様に向かって右方向30メートルの所にあります。往復60メートル。お百度は108回しますので、約6400メートル歩く事になります。ずっとその直向きな姿が気になっていて、いつかは自分もと思っていました。
今回の廟参で閃きがあり、お百度参りしてきました。準備も無く突然始めてしまいました。奥の院の地面は、いつも綺麗に掃き上げられていいます。素足でも安心。まず、その事に感謝です。小さな四国遍路を歩いている気持ちになりました。お大師さまの心の中でお参りできました。
平成24年 8月

拝啓 暮夏の候 皆様いかがお過ごしですか。お寺は、お盆シーズンを終えたところです。お盆は、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道の内、餓鬼道に輪廻した魂の救済から始まった、先祖や有縁の方々の供養の行事です。私たちは死を体験して人生に活かすことは、残念ながらできません。そこで、大切になるのが、近しい方々の死に接することになります。亡くなることを忌み嫌うのではなく、必ずあるべきこととして、考え見つめる事はとても大切なことです。人は、誕生してから様々な事を学び反復練習して成長をしていきます。ですが、幾つかの事柄は、実際に体験したり、練習したり出来ません。その一つである死を見つめる事は、如何に生きるか!と言うことに繋がります。皆さんは、死をどの様に見つめていますか。
平成24年 7月

拝啓 猛暑の候 皆様いかがお過ごしですか。私たち僧侶は、修行に入ると食事が精進になります。精進では、肉・魚・卵(乳製品を含むか含まないかは解釈が分かれます)の動物性の食べ物は口にしなくなります。人は、何かを毎日続けていると、それは良し悪しではなく習慣となり、当たり前のこととなります。この修行の精進は、普段の習慣を変えることに繋がっています。当たり前に食べていた食物を、当たり前ではない状況にして、食生活を考え直しているのが修行です。食物から栄養を取ることによって私たちは生命を維持しています。この世に存在する動植物は、太陽の恵みであれ、雨であれ土であれ、自分以外から栄養を吸収して、自身の生命を育てたり維持したりしています。皆さんは、何を思いながら食べ物を口にしていますか?
平成24年 6月

拝啓 麦秋の候 皆様いかがお過ごしですか。当山の写経会は先月400回目を迎えました。33年と4か月続いてきたことになります。この度、写経会に参加の信者さんからお申し出があり、硯を綺麗に洗って頂くと共に箱を新調して頂きました。33年間で初めての快挙です!(笑)それに伴い筆の扱いを変更いたします。今までは当山で用意していましたが、これからは出来る限りご自身で筆をご用意下さい。(My筆の持参をお願いします)当山で使って頂いている筆は、一本500円にて販売いたします。忘れてしまった場合の為に、貸し出し用も用意しておきます。筆の管理が難しかったので、ご理解とご協力をお願いいたします。写経会は、参加される方があって初めて継続できます。皆様のお力添えを頂きつつ、気持ちの良い、心に響く写経会を目指していきます。
平成24年 5月

拝啓 万緑の候 皆様いかがお過ごしですか。私の愛染明王還着に伴う修行も4月29日に結願し、翌30日に全ての修行日程を無事に終える事ができました。百十一日間に及ぶ修行を支えて下さった檀信徒の皆様には、深く感謝いたします。
修行期間中に愛染明王様にお供えをして下さった方々は、のべ百二十数名。お供えの物品の種類は、のべ約400種類。総個数は、数えられないほど頂きました。そのお供えのお下がりで、私の生を支えることが出来たことは、言葉に尽くせぬ想いがあります。4月8日にも結願文を皆様に披露いたしましたが、4月29日の最終的な結願文を5月の写経会のお話の折に披露させて頂きます。今回の修行の結末と、結末から始まる更なる一歩をお見届け下さい。
平成24年 4月

拝啓 桜花の候 皆様いかがお過ごしですか。
私の愛染明王還着修行も残すところ30日弱となりました。4月5日の朝食から9日の朝食までの丸4日間断食をしての修行となります。4月8日には、89日目を迎え愛染明王の89年振りの還着に因んだ日となり、今回の修行の節目を迎えます。
修行は29日まで続きますが、ここで節目として一度修行の結願をします。行法の中で結願作法をします。この作法は、何故この修行を始め、どのような気持ち続け、そして結願に至るのかを本尊様に披露(報告)するものです。その結願の文を参列の方々にも聞いて頂けるように致します。そこには、皆様の心に届く何かがあると信じます。
平成24年 3月

拝啓 迎梅の候 皆様いかがお過ごしですか。
愛染明王還着本座に伴う修行も65日を過ぎ、トータル110日の半分を超えたあたりです。皆様から愛染明王さまにお供えを頂き、そのお下がりのみを食していますが、今のところ飢えることなく日々過ごしております。感謝です。
皆様から修行しているところを見学したい、一緒に拝みたいとのご要望をお聞きしています。皆様の知的好奇心?におこたえし、3月21日と4月8日の月例行事の時にご来寺して下されば、修行の見学・愛染明王さまの拝観等していただけることといたします。両日とも午前11時から11時半ころまでに本堂にどうぞ!12時過ぎに行法を終える予定です。特に4月8日は、修行開始から89日目(愛染さまは89年振りに還着)を迎え、今回の修行では山場となります。断食も3日目に入っている予定なので、修行僧としても一見の価値があるかも知れません。私の姿も少しだけ、有り難く見えるかも・・・(笑)

※修行の見学等は静かに願います。
平成24年 2月

拝啓 暮雪の候 皆様いかがお過ごしですか。
1月11日から始めた愛染明王還着本座に伴う修行ですが、早いもので30日を経過しました。2月14日からは五穀を断ちます。食事の回数は、二食(にじき)と言って、一日二回。全部で110日間の修行ですが、一日一回(一座と表記します)愛染明王の前に座り愛染法という密教の法を修行します。行法(ぎょうほう)と表現します。法を行ずることを修行と呼びます。食事制限がメインではなく、行法が修行のメインです。行法をする為に、生活を律する必要があり、それが精進料理や五穀断ちや二食や一食や断食へと繋がります。110日間で110座の行法をします。3月19日〜4月5日まで一食。4月6日〜8日までの3日間は断食。4月9日〜29日までかけて徐々に食事の回数などを増やしてシャバ世界に復帰する準備をする予定です(笑)。
2月14日から4月8日までの55日間は、皆さまが愛染明王様にお供えしてくださった物のお下がりのみを食事に充てます。お供えを宜しくお願いいたしますね(笑)。
平成24年 1月

 拝啓 新春の候 皆様いかがお過ごしですか。
昨年12月1日に愛染明王が当山本堂に還着本座されたのを受け寶積院住職は、愛染明王を特別に拝む修行をいたします。1月10日から4月29日までの110日間。1日1回約3時間かけて愛染さまの前で修行いたします。期間中の食べ物は精進(肉・魚・卵・乳製品等は食べません。)特に2月14日から4月8日までの55日間は、五穀(米・大麦・小麦・大豆・小豆)も断ちます。
今回は皆様にお願いです。この五穀断ちをする55日間は、皆さまが、愛染明王にお供えして下さった物のみを食べて修行に臨もうと思います。お気持ちの有る方は、是非お供え下さい。もちろん精進で五穀抜きのお供えを歓迎いたします。(笑)。
皆様のお気持ちによって生かされて修行という時間を過ごします。私の修行が皆様のご利益に繋がりますように!
これより以前の「前住職のつぶやき」はこちらから